手を伸ばす
2010.06.17
カテゴリ:コミュニケーション
手を伸ばす
先日、
松沢哲郎霊長類研究所所長のセミナー内容について書かれたものを読んでいると
二本足で立ったことで、手が使えるようになったのではく
仰向けになったことで手が自由になった
というような内容のことが書いてありました。
その時にふとある幼児のことを思い出しました。
幼い子どもに手を差し伸べると、
だいたいの子どもは手を出して抱っこされようとします。
その子どもは、手を出しませんでした。
変わろうとするとき、
与えてもらうだけの場合
その間は変われた気がしてうまく物事が運び、
その状態がずっと続くような気がするかもしれません。
けれどもその供給がなくなる、
あるいは蓄えが尽きると
また、もとの状態になってしまうこともあります。
必要なものに気づき、自ら手を伸ばして変わろうと思わなければ、
変われないのです。
先の子どもは、ずっと気になっていた子どもでした。
手を差し伸べてもらう経験
求めて手を伸ばし、そしてその手を受け止めて貰える経験
この両方が無ければ、
手を伸ばすことを学べないのかもしれないと思いました。
人は人とのかかわりの中で育ち、変わります。
手を伸ばして求めるということを身につけることは、
必要で大切です。
あの子は今は、手が伸ばせるようになっているでしょうか。