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曇りの日(豊かさをおもう④)

曇りの日(豊かさをおもう④)

きょうは十一月十九日、旧暦では神無月十二日。
七十二候は、57候
「立冬 末候 金盞香(きんせんかさく)」

水仙の花が咲き始める頃となりました。

きょうは一日中、厚い雲に覆われていました。

こんな日は
お洗濯物は、雨の時のように濡れないけれど
スッキリと乾くこともないのです。

明石海峡大橋A

結婚するとき
母が、乾燥機を持って行った方がよいと
アドバイスしてくれました。

コインランドリーにある、あの乾燥機です。

30年ほど前なので
今のような、洗濯乾燥機はまだなかった時代です。

結婚するまでは、田舎の一軒家に住んでいたので
洗濯物を干すところは
軒下や納屋(なや)など、いくらでもありました。

それに、あの頃は気づいていませんでしたが
農家は常に、誰か家にいるので

わたしが会社勤めに行っている間に
誰かが、外に干してくれていたのです。

そして洗濯物が、雨に濡れてしまったり、
夜露で湿ってしまうことも、ありませんでした。

結婚してマンションに住み始めました。

パラソルハンガーが、かろうじてかかる幅の
ベランダがありました。

最上階で、屋根はありませんでした。

共働きで、
洗濯物は、常に部屋干し。

雨が続くと
たちまち母の言った通り乾かず

乾燥機のお世話になりました。

あるいは、
晴れていても大きな洗濯物は干せず

乾燥機を使っていました。

電気を使って乾かしていることが、
後ろめたかったです。

今も
外で乾ききらなかった洗濯物を
電気を使い衣類乾燥機で乾かしています。

機密性の高いマンションは
結露して、壁にカビが生えるからです。

こんな日は
陽の恵の有難さを思います。

そして

電気に頼っている生活についても
考えてしまうのでした。

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