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喪失と悲しみの心理 3

喪失と悲しみの心理 3

悲しみの心理については、アルフォンス・デーケン神父(上智大学名誉教授)が
カウンセリングに携わった体験から『悲嘆のプロセス』と呼ばれる
一連の情緒的反応を以下のように12段階に分析されてます。

このプロセスを消化しながら、立ち直っていくとされます。

しかし、悲しみがあまりに大きすぎたり
我慢して抑え込んだり、感情を表現できなかったりして
回復の途中で、健康を損ねてしまうこともあります。

周りがそのことを理解し、充分なサポートをすることが必要になります。

(1)精神的打撃と麻痺状態

親密な人の死に遭い、しかもその死が急激であればあるほどそのショックは大きく
一時的に現実感覚が麻痺状態に陥ります。

この一時的な情報遮断状態は、心身のショックを和らげるための
正常な防衛機制と考えられています。
一過性の現象であれば全く心配ありませんが、この状態が長引けば問題があります。

(2)否認

感情的にも、理性的にも相手の死という事実を否定しょうとします。
相手の死を感情と理性が受け入れられない時期があることを理解する必要があります。

(3)衝撃・パニック

激しい衝撃を受けて、感情的に興奮したりどうすればいいのか分からなくなります。
一過性であれば問題はありません。

(4)怒りと不当感

なぜ不幸に遭わなければならないのかという不当感がつきまとい、
自分にひどい仕打ちを与えた運命や神に対する怒りが表出されることが多い。

この怒りの感情を本人も無理に押し殺さず、
また周囲の人もこのような時期があることを理解し、上手に発散させることが必要です。

(5)敵意と恨み

どうしょうもない気持ちや、やりきれない気持ちを
周囲の人々に対して敵意という形で感情をぶつけてきます。

(6)罪責感

自分の過去の行いを思いだし、自分がとった行動や態度を悔やみ、
自分を責める気持ちが起こってきます。

(7)空想形成と幻想

空想の中で、亡くなった人がまだ生きて家に居ると考え続けたり
必ず帰ってくると思い込んだりする心理状況です。

(8)孤独感と抑うつ

慌ただしさが一段落し落ち着いてくると、紛らわせない独りの寂しさが身に迫ってきます。
気分が沈んで引きこもってしまったり、だんだん人間嫌いになったりする人もいます。

この時期が長引いてしまうと、健康を損なってしまいます。
周囲の暖かい援助が必要で、早くこの時期を乗り越えることが大切です。

(9)精神的混乱と無関心

親密な人を失った空虚さから生活目標を見失い、全くやる気をなくした状態に陥ります。
これも正常なプロセスの一部ですが、長引くようだと健康を損ねてしまいます。

その場合には、精神科医やカウンセラーなどの専門家の援助が必要となります

(10)あきらめ

(11)新しい希望~ユーモアと笑いの再発見~

 ユーモアと笑いが再びよみがえってきて、次の新しい生活への一歩を踏み出そうという希望が生まれます。

健康的な日常生活を取り返し、
親密だった人の死を現実の生活から切り離すことが出来るようになります。

(12)新しいアイデンティティの誕生~立ち直りの段階

悲嘆のプロセスを乗り越えるというのは、親密だった人を失う以前の自分に戻ることではありません。
喪失体験を通じて新しいアイデンティティを獲得することを意味しています。
悲しみを乗り越え、より成熟した人間へと成長することが出来るのです。

喪失の悲しみを体験する人がすべてこれらの12段階を通るわけではありません。
順序が変わることもあります。あるいは、複数の段階が重なって現れることもあます。

だいたい立ち直るまで最低1年くらいは必要と言われています。

『喪失感 (2010-06-28)』
https://mitunohikari.hatenadiary.jp/entry/2010/06/28/000000

『喪失と悲しみの心理1(2011-03-17)』
https://mitunohikari.hatenadiary.jp/entry/2011/03/17/000000

『喪失と悲しみの心理2(2011-03-18)』
https://mitunohikari.hatenadiary.jp/entry/2011/03/19/000000

『喪失と悲しみの心理3(2011-03-20)』
https://mitunohikari.hatenadiary.jp/entry/2011/03/20/000000

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